矯正コラム

マウスピース矯正で痩せた?“ダイエット効果”の真相とは

2025.11.14

マウスピース矯正を始めたら、お口が閉じにくくなって、ご飯をあまり食べなくなった」「矯正中は口を動かすのに疲れて食欲が落ちた」……SNSや口コミで、マウスピース矯正をすることで痩せたという話を見聞きすることがあります。本当にマウスピース矯正にはダイエット効果があるのでしょうか?医療的視点・生活習慣の観点から真相を探ってみます。

マウスピース矯正とは

マウスピース矯正は、透明なプラスチック素材(アライナー)を歯に装着することで、少しずつ歯を移動させて歯並びを治す矯正方法です。ワイヤー矯正と違って目立ちにくい”“痛みや違和感が少ないことがメリットとされます。 食事や歯磨きの時は、装置を外せるため、衛生的です。

「痩せた」と感じる人がいる理由

マウスピース矯正の期間中、以下のような変化を経験する人が多いため、「痩せた」と感じるケースがあります。

1.食事の制限

食事のたびにマウスピースを外して歯磨きをする必要があるため、間食や甘いものを控える人が多くいます。これが自然と間食を減らすことに繋がります。

2.意識の変化

矯正を始めることで「きれいな歯並びを保ちたい」という意識が高まり、同時に口腔衛生に気を使うようになることがあります。

3.一時的な体重の変動

矯正初期は歯が動く刺激や装着感による軽い違和感があり、食事量が減ることもあります。しかし、これは長続きしないことが多く、慣れた後は普通に食べられるようになるケースが多いです。

医療的視点から見るダイエット効果の限界

歯並びが体重や脂肪を直接減らすことはない

マウスピース矯正自体はあくまで歯を動かす治療であり、代謝を上げたり脂肪を燃焼させるようなものではありません。痩せたと感じるのは、あくまで食事や間食・咀嚼の変化が間接的に影響しているためです。

栄養不足のリスク

食べにくさや痛みから、栄養バランスを崩してしまうことがあります。タンパク質やビタミン・ミネラルが不足すると、健康に悪影響が出る可能性があります。体重の減少よりも健康維持が大切です。

リバウンドの可能性

矯正に慣れた後、制限がなくなると以前の食生活に戻してしまい、元の体重に戻る(リバウンド)ことも珍しくありません。

ダイエットを希望するなら注意すべきこと

マウスピース矯正で「健康的に少し体重を落としたい」人が注意すべきポイントをまとめます。

・装置を装着する時間が長い場合、咀嚼回数をしっかり確保する。

・食事でタンパク質(魚・肉・豆)、野菜、果物などをバランスよく摂る。流動食や柔らかいものばかりに偏らないように。

・間食・甘い飲み物を控える。特に装置をつけたまま甘いものを食べると装置の汚れ・虫歯リスクも上がる。

・水分補給をしっかりする。唾液の分泌低下や口の乾きがあると、食べ物がくっつきやすくなったり、消化にも影響する。

・体重や体調の変化を記録する。極端な体重減少や体調不良があれば歯科医師や栄養士に相談する。

実際のケースと注意点

ある患者さんは、矯正初期の12週間で食欲が落ち、小さめの食事量になり3kgほど体重が減ったと報告しています。その後装置に慣れるにつれて食欲が戻り、体重が少し戻ったとのことです。矯正期間全体でみると、体重変化は個人差が大きく、「ダイエット目的」で矯正を始めることはお勧めできません。

まとめ

マウスピース矯正で「痩せた」と感じることがあるのは間違いではありませんが、それは装置による物理的な制約や食行動の変化が主な原因です。矯正そのものがダイエット効果を目的とするものではなく、健康と全体のバランスを保つことのほうが大切です。痩せたい目的があったとしても、矯正中も栄養をしっかり摂り、無理な制限はしないようにしましょう。

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